南アルプス南部 のほほん縦走記 第伍話

南アルプス南部 のほほん縦走記 第伍話

えー、どうも。

会社の無能な工程管理のせいで、敬老の日の休日出勤、昨日も出勤と超珍しく仕事三昧道楽人です。

年功序列で偉くなっただけの老害どもは、この国のガンですな。

今週末は全然、道楽できてません・・・

そして最近思ったんだけど。

 

山行ってねええええ!!!!!

 

盆から一度も行ってないんじゃ。キャンプやらカヌー、遊びに行って過ごしてたら、あっという間に2か月近くだ。

せっかく縦走で鍛えられた体も、だらけてるだろう。もったいない・・・

 

そしていい加減、盆の記事も書き終わりたい・・・

早くすべて書ききりたいところです。

 

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○8月9日(火) 4日目 晴れ

ルート:聖平小屋→聖岳(ひじりだけ)→奥聖岳→聖岳→兎岳→大沢岳→百閒洞(ひゃっけんぼら)山の家

 

3時過ぎに起床。うーん、今日は聖岳に挑む朝だ、と気合入れて起きる。起きたくないけど起きる。

サクッと飯食って、5時前に出発。今日はアップダウンが多い。今回の縦走の核心部と言えるかもしれない。

まずは薊畑(アザミバタ)まで登る。ウォーミングアップにはいい感じの登り。

程よく体も温まり、薊畑に着く。ん、今日も体は好調だ。

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デーンと、そびえる聖岳。右にあるのは道中にある小聖岳。

薊畑から聖岳へは標高差で600mほど。しかし見上げた感じは、それ以上のものを感じた。

名前に恥じない、その山容に何かを感じちゃったのかもしれない。

もっとも、聖(ひじり)とは ’へづる’ という方言から来ている説もあるとのことだけど。

 

薊畑からその先、小聖岳まではちょっときつい登りが続く。

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小聖岳から聖岳を望む。

行動食のヨウカン食いながら、小聖岳に到着。あれ、あんまり距離縮んでないんじゃねえか、これ。

聖岳は聖なる山。もしや悪しき心を持つ人間は近づけないというのかっっ!!!?

僕、あんまり悪い人間じゃないよっ。

 

なんてくだらない妄想をしつつ、行動食を食う。

休憩中のおじさんがいて、この人とはテン場の百閒洞まで何度か顔を合わせた。

話しやすい感じで、良い年の取り方をしている素敵な山おじさんだ。

小聖おじさんと呼ばせていただこう。コスモは感じなかった

 

休憩して聖岳にとりつく。

聖岳直下から山頂を望むと、そそり立つ壁のようで威圧感が・・・

斜度は急だし、足元はザレ。登りづらい。

道には小聖おじさんと、単独女性。二人ともいい感じのペースで、つかず離れず山頂を目指す。

 

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つづら折りの急な登りを終えて、やっとこさ聖岳の山頂へ。

苦労しつつ聖岳の山頂に到着すると、青空と南ア北部まで見渡せる景色が出迎えてくれた。

登り中、山頂から ちらちら覗き込んでいた兄ちゃんもいた。なんでも、記念写真を撮ってもらいたくて、ずっと人を待っていたそうだ。

別に、唾を飛ばしていたわけじゃないのか。

 

見るからに爽やかそうな兄ちゃんだ。俺はこんなタイプが苦手だ。

同族嫌悪というやつか・・・

そんな彼は、俺のシャツを見て「僕のと同じですね!」と一言。確かに似ている。

そのあと「それだと2シーズン前モデルのやつですか?どっちもデザインいいですよね」

ああ、無駄にシーズンモデルとか熟知してるのも苦手なタイプだ。

 

うんざりしていると、小聖おじさんが話しかけてきた。

「いや、疲れたね。そのザックには何が入っているんだい?」

「飯です、すぐ腹減るんです。」

「腹減ってるのが分かるうちは元気だから大丈夫!」とアドバイス。

なるほど、空腹が分からないのは重症だな確かに。

腹ペコリストの僕は、死ぬ手前じゃないと、そんな状況にならなそうですが。

 

一通り満喫し写真を撮った後は、行動食とカメラを持って、奥聖岳へ向かう。

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右のピーク、奥聖までは目と鼻の先だ。

空荷の体は軽くてうれしい。思わず、小走り気味に進む。

楽しみだった聖岳に登り、明日は赤石岳。ワクワクは止まらないのだ。

たぶんアドレナリン出まくってたと思う。

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奥聖は、少し控えめな感じがして気に入った。三角点はこちらにしかない。

奥聖からは、また違った景色が見えて素晴らしかった。

昔からほとんど変わっていない、そう考えると山の景色ってのは、いやはや何とも凄い。

これから先に行く兎岳、中盛丸山、大沢岳が一望できる。百閒洞の小屋も見えた。

翌日の赤石岳も、そびえたつ。

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ふむ、アップダウンが多いぜ。進みたくねえ!!!

兎岳の先、アップダウンを繰り返して、中盛丸山にガンっ!と上がる。再びアップダウンで大沢岳。

行ってやろうじゃないのという気持ちと、聖平小屋に帰っちゃう?という気持ちが交錯した。

交錯?いや、7:3くらいで小屋に帰っちゃうくらいだったかも。この時点で満足してしまった僕なのであった。

毎日晴れで、素晴らしい景色を見られれば、満足しちゃうよ。

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翌日登る赤石岳、ただただデカい・・・

明日の百名山は赤石岳か。今日に引き続き、明日も百名山。何とも豪華。

さて、再び聖岳に戻り、あの糞重いザックを背負わなくては。

嫌だなあ・・・

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聖~奥聖間は庭園チックな風景も

聖岳に戻ると、僕のザックにはアブが沢山飛んでいました。そんなに臭いかボケがあ!!!と振り払う。

気を取り直し、聖岳から兎岳へ向かう。

まずはバシッと標高400mを下り、コルに。

そして200mの登り。ジャブのように効いてくる。

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ペンギンのような岩がピョコンと、お出迎え。

兎岳への登りは、思ったよりもサクサク登れた。

聖のそびえたつ感じとは違ったのも要因か。細かなアップダウンの後に、いつの間にかという感じだった。

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廃墟のような兎岳避難小屋
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正面から。何とも言えない雰囲気だ・・・

兎岳直下に避難小屋がある。

荒廃具合はなかなかである。こ、この雰囲気は何かマズい気がする。

扉は怖くて開けられなかった。

しかし、後に聞いた話だと、この小屋の中は山小屋によって 一応手入れされているそうだ。

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小屋前に幕営跡もあるけれど、ここでは遠慮させてください・・・

そんなこんなで、兎岳に着。いやあ、疲れたな。

ちなみに兎岳、残念ながら頂上にバニーガールはいません。ムサイ男しかおりません。

そういやキャピキャピした山ガール、見てないなあ。

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兎らしさ、どこにもねえぜ
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聖岳を振り返る

聖岳からずいぶん下った。

遠く上河内岳も見える。何回も思うが、南アルプスはほんとうにデッカイ。

ここから先もアップダウンは続く。飯を食って気合を入れる。

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左方面の稜線を進む。左から2番目のモッコリが中盛丸山、勘弁してくれよと思った。
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右から小兎岳、小ピーク、中盛丸山、大沢岳。

まずは兎岳を下る。

小ピークに登り、再び下る。小兎岳南側のコルからは水場への道がある。気分転換に行ってみた。

水はキリリとうまかった。水量もまずまず。

そして小兎岳に登る。

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小兎から兎岳を見る。

先には中盛丸山がラスボスの様にそびえる。

大沢岳は計画通り、手前のコルで荷物デポすることにした。

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中盛丸山への、この登りはストレートパンチ級だ

中盛丸山への登りはキツく、何度か足が止まる。

気温も少し高い。早くテン場でゴロゴロしたい気持ちが急上昇した。

やっとの思いで登り切った丸山では、思わず「よしっ」と一言漏れた。

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山頂。大沢岳は斜めに切り立った感じのする、かっちょいい山。

頂上を満喫し、さっさと先へ。

コルへと下り、荷物をデポして大沢岳へ向かう。

 

大沢岳に向かう途中、雷鳥を見た。訪れる人が少ないからだろうか?

相変わらず近寄っても逃げない。

山頂からは赤石岳~悪沢岳が見えた。悪沢岳は縦走最後の百名山だ。いよいよクライマックスが近づいてきた。

本日泊まる百閒洞のテン場も見えた。早く寝っ転がりたい。

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大沢岳は、やや訪れる人が少ないイメージ。
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山頂からは、棚田みたいな百閒洞のテン場が見える。誰もいねえ!
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明日の赤石岳、明後日行く悪沢岳(’沢’字の下の文字)が見える

大沢岳の先、北側は百閒洞のテン場まで続く道があるのだが、浮石が多いらしい。

山と高原地図にも浮石多しと記載されていたし、そのルートで来た人にも浮石が多いと話を聞いた。

やはり安パイならデポ往復だな。

 

デポしたザックまで戻る途中、再び雷鳥を見る。雷鳥見ると何でこう、嬉しくなるかなあ。

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冬の白い姿もいいけど、夏色も好きだ

デポしたコルから百閒洞までは地味に長かった。日差しは暑いし喉が渇く。

13時、きつかった工程も終わり百閒洞山の家に到着した。

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百閒洞山の家。特製のカツが有名だ。

特製のカツも食べられるし、それをつまみにビール飲みたかったが、疲れを抜くことを考えて、この日もアルコールは我慢だ。

翌日はコースタイム、たったの5時間。嬉しいぞ、これは!。朝、メチャクチャゆっくりできるじゃん。

 

百閒洞山の家では、テン場を指定される。なんだこれ、早く着いても意味ねえじゃん。空いているのに、すぐ隣に人来るの嫌なんだが・・・

そんでトイレまで遠い。テン場までの帰りにある登りが地味にキツイんだよなあ。

俺にとって、今工程で一番盛り上がらなったテン場。

日記も書いて小説読んで、19時半 早めに就寝。

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