カヤック

水上に浮かび、静かな水面をスイスイ進んでいく。
時には向かい風を、時には波立つ水面を進んでいく。
動力は己のみ。
カヤックは、とても魅力ある乗り物です。
水面に浮かぶ経験はせいぜい、鬼怒川の川下りで乗った木船、フェリー、手漕ぎボートくらいでした。
カヤックと、これらの乗り物は似て非なるものでした。

○カヤックとの出会い

初めてのカヤックはアウトドアメーカーでお馴染みの、モンベルより販売しているボイジャー460Tです。


ボイジャー、良い船でした。
元々はスキーのお師匠さん、Aさんが使用していた物を中古で頂きました。
元値は20万円以上もする、高級品です。それを半額で買い取りました。
それでも貯金の少ない僕には高いけどね。
カヤックといえば、固くてカチカチの物を想像すると思います。
しかし、車に積んで陸を移動するのはまだしも、離島に行くとなると面倒なんですよね。
その点、このボイジャーを始めとするファルトカヤックなる物は、なんと組み立て式でコンパクトになるんです。
 
大きさ比較無いけれど、背負えるくらいにはなります。


船体布。ペタンと畳める。
船体布という船のガワに、フレームを組み入れます。
このおかげで、船体布、フレームをそれぞれ小さくでき、コンパクトになるんですね。
コンパクトといっても重量は20キロくらいあるし、サイズもそこそこある。
しかし、この大きさなら宅急便で離島始め、全国各地に送れてしまうわけです。
なのでカヤックを送って、人間は新幹線や飛行機で現地に向かい、漕ぐことが可能という画期的な乗り物なんですね。
そんなファルトカヤックで湖からやがて海へと漕ぎ出しました。野営道具を積んでキャンプしながら漕いだりもしました。

野営装備一式が積載できるのはロマンの塊だ。

浜での休憩も最高だ。
キャンプ装備一式を船の中に入れて漕げるのも魅力的。
特に初めての船、ボイジャーは積載量が多く仲間内では貨物船の称号を頂きました(笑)
クライミング、沢登りではない一般的な登山と比べると、カヤックのアウトドア指数は上だと感じました。
なにせ海や湖だ、道が無い。船を出艇させる場所、漁船や大型船、風や海のうねりetc。
遊ぶ前に考えるべき項目は多い。
もっとも、ここら辺はAさんにお任せっきりなんだけど。
こちとら車を出したりする程度です。

○ファルト界の最高峰

Aさん他、カヤック仲間はみんなフェザークラフトというメーカーの船に乗っています。
このメーカーの船はカナダで手作りしていて、ファルトカヤックの最高峰なんです。
最低ランクの船でも40万円程するそうで、自分には縁のない船だなと常々思っていました。

Aさんのフェザー艇の一つ。カサラノ。超細くてカッコいい。
ボイジャーでもフェザーに乗っている人のペースには、何とか合わせる事ができました。
しかしこれは、猛烈に頑張っているからであって……
フェザー艇が1回漕ぐ間に、ボイジャーは2回漕げば、まあ何とか着いていけます。
しかしそんなペースだと、1時間も漕ぐと疲れてくるんですよ。
フェザーいいなあと思いつつも、やっぱり高い。
そう思っていた矢先、なんとフェザークラフト社が生産中止。
ああ、これで手に入る確率は減ってしまったと思っていたところ、2017年の夏、転機が訪れる。
Aさんとブログで知り合ったTさんが、フェザーを売ってくれるというのだ!
世間は狭いものです、Tさんは自宅から10キロほどのご近所さんでした。
モデルはK1というフェザー艇の中でも、大きい船です。
譲ってもらったのは、現在のK1モデルの前の世代、四半世紀ほど前の物なんです。
みなさんK1Cと呼んでいるようです。


ボイジャーと比べると実にシャープ。
なんて物持ちがいいんでしょう。
しかもこのK1C、コスト削減など関係ない昔の船ですので、骨組みのパイプやら、船体布やらが厚いそうです。
だから持ちがいいんですかねー。
このK1Cに乗って、色々なところを漕ぎました。
これからも沢山船旅したいなと思う今日この頃です。